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スウェーデンはホームドクター制をとっているため、住民登録をすると、所轄の保健所の医師からホームドクターが選ばれます。担当医師は自分でも決められるようですが、何もしなくても自動的にホームドクターが決められ、後日医師名の記載された書類が郵送されてきます。
総合病院に受診する必要がある場合は、診療所の紹介が必要です。ただし夜間・休日の救急の場合は、直接、総合病院の救急外来を受診できますが、あらかじめ電話をかける必要があります。
デンマークの医療制度にはグループ1(ホームドクター制)とグループ2(自由選択制)があり、15歳以上の住民は何れかを選択します。15歳未満の者は親が属するグループとなります。
グループ1を選択した住民は指定されたホームドクターをあらかじめ選定し、緊急時以外は、ほぼどのような病気でも最初はホームドクターの診察を受けます。また、必要に応じて、ホームドクターは専門医、病院、物理療法士などに紹介状を書いてくれますので、指定の医師などに改めて予約を取って、診察を受けます。
グループ2を選択した住民は物理療法士、足療法士と(公共保険と契約を結んだ)心理学者には医師の紹介状を必要としますが、ホームドクター、専門医、歯医者と脊柱指圧師を自由に選んで受診することができます。
フィンランドでは公的医療機関として地区ごとに医療センターが整備されています。その上に総合病院や大学病院などがあり、必要に応じて医療センターから順次紹介されることになります。
しかしながら地区の医療センターは患者が殺到するため、受診までに数時間を要することが多々あり、中流階級以上は割高ではありますが、予約制で待ち時間の少ない私立病院を使う傾向にあります。英語はどの医療機関でも通じます。
アイルランドはホームドクター(GP)制です。まずGPを受診し、その紹介状を持って専門医に行くことになります(GPにかからないで直接行ける専門医は急患を除き歯科医のみです)。
公的医療機関は無料又は低料金です。しかし医師不足、看護師不足、病床不足の影響も深刻で、入院が必要であっても直ちに入院できない場合が多くあります。
私立病院は高額ですが、公的医療機関より早い治療・入院ができます。しかし、救急車で搬送されても差し迫った生命の危険がないと判断されると、場合によっては長時間待たされることもあります。
ポルトガルの医療水準はヨーロッパの中では低く、特に公立病院では設備面で遅れており、治療を受けるまでに長時間待たされます。したがって、複雑な治療を必要とする場合は、英国、フランス等へ行くかあるいは日本へ戻る方が無難といえます。
私立病院は設備面ではほぼ問題がありません。ただし社会保険が適用されないため、一般的に診察だけで80ユーロ程度、入院するだけで1日約200ユーロ程度の高額の費用が必要となります。万一に備え海外旅行傷害保険に加入しておくことをお勧めします。
ハンガリーでは原則的に自由に医療機関を選べますが、英語が通じる病院は限られています。
公立病院の診察料は社会保険料を支払っていれば無料ですが、駐在員や出張者など社会保険料を払っていない場合、公立、私立を問わず有料となります。
チェコでは原則的に自由に医療機関を選べますが、英語が通じる病院は限られています。
基本的に受診時に医療費の支払いが必要ですが、病院によっては後日自宅に受診費用の請求書が届けられることもあります。
ポーランドの公的医療システムの場合、まずホームドクターに受診、必要に応じて専門医、病院へ段階的に受診する仕組みです。しかし、ポーランド語しか通じないことが多いので、日本人の大半は英語で受診できる私立病院を受診します。キャッシュレス依頼をしない限り、基本的に受診時に医療費の支払いが必要となりますが、病院によっては後日自宅に受診費用の請求書が届けられることもあります。
スイスではホーム・ドクター制を主とする民間保険と保険会社12社が共同で立ち上げたHMO( Health Maintenance Organization )というマネージドケアがあります。
HMO加入者は保険料が低額になりますが、初診はHMO診療所のみでの受診が必須となります。
民間保険加入者は自由に医療機関を選べます。
オーストリアの医療事情は良好で、どの診療科も特に問題なく受診することができます。医師の多くは英語を話しますが、他の医療従事者ではドイツ語が必要な場合があります。大使館領事部では医療通訳者のリストを準備し、依頼があれば紹介できるようにしています。
外国人でもオーストリアの国民健康保険に加入することができます。保険料は収入によって違い、利用できるまでに半年ぐらいかかります。その他にプライベート保険もあります。医療費は非常に高額なので滞在期間にあわせて日本からの海外旅行傷害保険等に必ず加入しておきましょう。