海外に長期勤務・赴任・駐在する場合の医療費には、日本の保険が使えます
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海外に長期勤務・赴任・駐在する場合、企業は駐在員の福利厚生の一環として、様々な保険に加入したり、独自のツールで海外医療費の補償を行っています。海外進出企業が一般的に利用している日本の保険、現地保険等を、以下でご紹介します。
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海外旅行保険
現地の医療制度や保険市場が未成熟な中国や東南アジア地域や、現地医療制度ではサービスレベルに難のある国(イギリス等)への駐在員には、海外旅行保険を加入させる傾向があります。その名の通り、元々は海外旅行者の現地での事故や病気、ケガをカバーするために開発された商品ですが、補償期間を長くして補償内容も充実させた形で、今ではほぼ全ての保険会社が駐在員向けの商品を販売しています。殆どの病気やケガをカバー出来たり、サービスがとても充実しているため、多くの企業が加入していますが、その利便性の高さ故に保険利用の頻度が高くなり、昨今の全世界的な医療費上昇と相まって2010年頃から海外旅行保険料の高騰が顕著になってきています。また、もともと海外旅行者向けに販売された保険のため、歯科(特約で付保できる保険もあります)や既往症、また初診日を含め180日を越えた費用は、対象外となっており、海外駐在員への適用には、不十分な補償範囲となっております。
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現地医療保険(米国)
米国には日本のような公的な医療保険制度が無いため(高齢者・障害者除く)、多くの国民は民間の保険会社が販売する現地医療保険に加入します。個人で加入するケースは少なく、多くは勤務先が福利厚生の一環として手当てする傾向にあります。日本企業も例外ではなく、多くの企業が公平性も考慮して、日本人駐在員と米国社員に対して同等の医療保険を手当てしています。現地医療事情に即した商品設計や病院での受診のし易さ等、利便性が高い一方で、米国国内で社会問題化している様に医療費の高騰に比例する形で保険料も上昇しており、2000年代始めから倍以上という驚異的な伸びを示しています。日本の海外旅行保険と異なり、24時間日本語サービスはついていないため、海外赴任者や帯同家族にとっては、利便性に欠ける側面もあります。
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現地医療保険(欧州)
欧州は全体的に社会保障制度が確立されていますが、国によってその内容が大きく異なります。ドイツやスイスはそれぞれの国内で販売されている保険への加入が義務付けられていますが、デンマークやスウェーデン等は一定の条件(納税期間一年以上等)を満たせば外国人であっても公的医療保険への加入が可能で、無料で受診が出来ます。また、フランスやオランダは日本との社会保障協定が締結されたことで、現地で保険料を負担する必要は無くなったものの、利便性の高さから継続して現地医療保険に加入する日本企業も多く見られます。補償範囲・補償額や受診のし易さ、保険料負担等の側面でメリット・デメリットも異なります。米国の現地保険と同様に、24時間日本語サービスはついていないため、海外赴任者や帯同家族にとっては、利便性に欠ける側面もあります。
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国内健康保険
日本で国内健康保険に加入していれば、海外療養費制度として海外滞在中に発生した海外医療費も国内健康保険等に請求して、還付金を受ける事が可能です。国内健康保険は海外の医療費を日本の水準に合わせた7割相当分を還付金として支給するため、医療費水準の低い国では優先的に利用されたりしますが、多くの場合は海外旅行保険や現地の医療保険の補償の対象外となった部分を補完する二次的な保険として利用される傾向があります。駐在期間中であっても駐在員と企業がそれぞれ国内健康保険料を負担しているわけですから、大いに有効活用したいところですが、海外から申請する場合、翻訳を添付する必要があるなど、その手続きが非常に煩雑なため、残念ながら制度自体が積極的に利用されていないのが実情です。
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